山行報告  「北穂高岳」

・日程 2022年9月11日(日)~9月14日(木)3泊4日
・参加者 4名(会員3名、会員外1名、全員女性)
・1日目  鈴鹿→アカンダナ駐車場→上高地バスターミナル→横尾野営場、テント泊
 2日目  横尾→涸沢小屋→北穂高岳登頂→北穂高小屋泊
 3日目  北穂高小屋→涸沢ヒュッテ→横尾→徳澤キャンプ場、テント泊
 4日目  徳澤→上高地バスターミナル→アカンダナ駐車場→鈴鹿

・1日目、鈴鹿を6:30出発、上高地で昼食を済ませ、12:30上高地バスターミナルに到着。
 横尾のテント場に向けて出発。いよいよ始まる!
 4名中1名は横尾山荘泊り、1名はテント泊キャリア有(CL)、後の2名はテント設営不慣れな者?。歩きだしたのはいいが、テント一式に加え朝昼夕の食事それぞれ2回分のザックの重さに不安な言葉が口に出る始末。皆で励ましあいながら、横尾まで頑張る!まだ初日!
 16:00前に横尾着、テントの数は少ない。トイレと水場の近くにテント設営。空は雲が広がっていたけれど、風もなく穏やか。夕食を食べながらも明日の北穂高が気になる、予定を確認して早々に就寝。憧れの上高地テント泊の初日が暮れていく。


・2日目、4:30、ザック準備完了。テントは下山後撤収。4人とも緊張気味で食事がすすまないが、朝食に暖かいものをしっかり摂る。
 5:40北穂高に向け登山開始。まずは本谷橋まで!と歩き出す。まあまあ、順調に本谷橋着。少し休憩。
 9:15涸沢小屋着。少し早めの昼食を兼ねてゆっくり休む。目の前に広がる涸沢カールの雄大さに言葉も出ないくらい。紅葉にはまだ早いが、ナナカマドの実は真っ赤に色付いて、山の秋は加速度がついている感じ。
9:45涸沢小屋出発。CLの「これからが本格アルプス登山だよ!」との檄が飛ぶ。南稜の鎖場など険しいコースも気持ちを集中して足をすすめる。下山者からの情報もとても励みになった。登山コースを示す岩の○印、×印は、以前の北アルプス縦走を思い出した。
 14:05北穂高岳山頂!ガスって展望はなかったが、無事山頂に立って一人が思わず感激の涙、それを見てこちらも一緒にもらい泣き、全員がうれしくなった。登頂時間は5分遅れのほぼ予定通り。思い思いに山頂での写真撮影のあと、北穂高小屋の受付を済ます。4人一部屋の個室を案内され気持ちも楽になり寛ぐ。ビール飲み?の2名は、生ビール1000円をゆっくり楽しむ。山荘のテラスからはガスのため槍ヶ岳などの展望は、隠れたり現れたりと思わせぶり…それでも、とにかく満足。雨にもあわず幸運をしみじみ感じて、ニンマリする。
 17:40夕食。もちろん有名な定番の豚肉の生姜焼き、おいしい!さらに感動したのは、食事の器がすべて山荘のシンボルのイワツメクサのマークが入った陶器だったこと。山荘の暖かい心遣いが偲ばれ本当にうれしくなった。「いちばん高いところにある山小屋」!ステキな山小屋!


・3日目、6:08下山開始。曇り無風少し朝靄。気温もひんやり心地よい。疲れも随分軽減したが、下りなので急がず慎重に足を運ぶ。
 イワツメクサはもちろんリンドウ、タケシマラン。オオヒョウタンボクの赤い実も秋を感じさせてくれた。
 10:15涸沢ヒュッテ着。ヒュッテのテラス席からの、圧巻の景色を楽しむ。「いいよなぁ~、ここは!」山の舞台の真ん中にいるみたい。行動食も充分に摂り少し気持ちに余裕が出て来る。
 10:50ヒュッテ出発。途中、ブルーベリーがちょうど実りを迎えていて、少しだけ頂く、優しい自然の甘さに疲れた体が軽くなる気がした。
 14:30横尾のテント場に到着。遅めの昼食、テント撤収。次のテント泊予定の徳澤までの道を進む。またまた背中が重たいが「1時間余りの行程だよね。」と励まし合う。
 16:30徳澤園、テント設営。上高地最後の夜。4人で北穂高岳登頂の健闘(!)をたたえあう。この3日間を振り返り、楽しい賑やかなおしゃべりとともに、徳澤園のテラスでの夕食を終える。1名は徳澤園泊り。徳澤のテント場は放牧場の跡地。マットの下はふかふかの柔らかい草で、とても快適!疲れた体に幸せな夜だった。


・4日目、テント撤収。ゆっくり朝食。
 7:00徳澤出発。またしても(笑)当然、背中が重たい。明神まで2時間近くかけて進む。明神からは、木道の林の中の道を歩き、上高地からの山の姿と水辺の景色を楽しみながら、ゆっくりのんびりとバスターミナルへと戻った。膝や肩や腰が「痛い痛い…」とそれぞれ言いながらもやり切った感があり、嬉しい愚痴が出た。
11:00発のバスに乗り、アカンダナ駐車場へ。ひらゆの森で4日間の汗を流し、昼食を済ませ、帰路につく。19:00前、鈴鹿着。

女性だけの4人組での今回の山行。仲間がいてCLを中心に皆がそれぞれを気遣いながらの4日間。何よりお天気に恵まれ、3000m級の山の醍醐味と山頂からの展望、北穂高小屋、憧れのテント泊~、もちろん、全員無事下山したこともあって、何より忘れられない「北穂高岳」になった。
                                       S・N記